のら猫の独り言『のら猫小路日記』

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New York, New York


Carey Mulligan singing New York, New York in Shame [FULL SCENE]

以前にも話したが、俳優が歌う場面がある映画が好き。
これはマイケル・ファスベンダーとキャリー・マリガンが
兄妹役のニューヨークが舞台の某映画のワンシーンから。
兄・マイケルが流す涙に、なぜかこちらもぐっとくる。
素直に歌う彼女の声にピアノの伴奏が
猫のように絡みついたりふっと離れたりして、彼女をグンと引き立てる。
この時の彼女のアップはまさに、映画における「顔」をしている。
スコセッシの映画でミネリが歌ったバージョンとはまた
違う感じが好き。言葉が響きます。

きょうはこの曲「New York, New York」を築地市場に捧げます。

ニューヨークもだけど
築地も都会。
銀座の喧騒を越え橋の手前がすぐ築地。
朝から鳥になって飛び回り鳥の目でみてみたい。
築地市場が眠るときはいつなんだろう。

夜更けから早朝にかけてしらじらと明けゆく空を仰ぐのが好き。
働く河岸のおとこたちにも、恋人たちにも、みんなに一様に朝がくる。
私はあのときにみえる薄く切った大根のようなお月さまが好き。
あのお月さまの中に、もう思い出さなくてもいいように、
私は良い思い出だけを詰め込む。
タプタプに潤んだ月
夜の闇にその漲った光りを放つ。
焼けた素肌に月の光りを浴びるなんと心地の良いことよ。
月光浴とはよくいったもので、なんとなくジワ〜っと漲ってくるから不思議。


鬱屈した苦悩の日々や
一瞬の迷い、喜び、お決まりの常套句なんか煩わしいだけ。
ひとの知らない
もっと高いところで
笑っていられる
そんな「いま」が好き。


豊洲移転問題もここ数日熱いですが
築地市場へ行くなら「いま」。
ちなみに溝呂木に連れて行ってもらった場外の路地裏にひっそり佇む
「てんぷら黒川」の穴子天丼。
美味でした。ホタテが美味のかき揚げ丼も絶品。
朝9時からやってます。

のら猫万華鏡 のら猫探偵 築地市場をゆく(後編) 
ご笑覧くださいませ



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Louis Prima - Just A Gigolo-I Ain't Got Nobody

I〜〜〜〜〜〜〜Ain't Got Nobody!!!
and sad lonely too!

重陽の節句。
菊のお茶を飲んだり。
悲しみを菊に忍ばせ
飲み干します。


共同通信社47NEWS 連載エッセイ『のら猫万華鏡』更新
のら猫探偵・築地市場へゆくの巻




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Sunny Afternoon


KINKS - "Sunny Afternoon" (TOTP 1966)

最近というか、もともと、感が働くというか、
ここ最近も、冴えてるなあと思うことしばし。

まずは試写で観た『エル・クラン』キンクスの楽曲に驚愕。
こんな気怠いキンクス聴いたことない。しかも不意打ちをくらう。
普通1度だろうと思うのだ。長い場面で1曲かかるのだったら。
なのに、もうふたたび同じ曲がかかったのだ。
しかも、ええええっ!って場面で。
もう最高。気怠くて残酷で冷血でPOPだった。
ぜひ劇場で体感してほしい。キンクスを10代から聴いてるけど
こんなに返り血のように濃厚にまとわりついた感覚ははじめて。
音楽って不思議。
つづいて、慌てて駆け込んだ試写で観た『永い言い訳』も音楽でちょっとびっくりしたことが。
冒頭、ああそろそろここで、上品で綺麗なマヌーシュサウンドとかが流れてきそう
って思ったら本当に流れてきた。しかもパイティティのアルバムでもお世話になった
バイオリニスト中西さんによるものだった。
そして、ある場面で、手島葵の物凄く透き通った歌声が。
しかもこれももしやするとオペラ?と予期。ニッカウイスキーのCMでおなじみキャスリーン・バトルが歌ったヘンデルの『オンブラ・マイ・フ』だったりして。だけど、手島葵のほかの誰とも似ていない唯一無二のあの歌声で『オンブラ・マイ・フ』という異色さにびっくりしたというよりも、記憶の断片にかすかに残っていたキャスリーン・バトルの初来日(たしか87年くらい?)、前列の方で聴いたときのびっくりを鮮烈に思い出したからだ。耳をそばだてて聴いた彼女の繊細な歌声。決して声量が豊かという感じではなかった意外性も然り。歌を歌うひとの存在、それを聴くことの一瞬の時間はなんて美しいんだろう、と記憶したことが蘇る。
しかしあの頃はよくひとりで好きな音楽をひと晩中だの1日中だの楽しんだものだった。独身の極みか。

『エル・クラン』に話しは戻って
大好きなTheKinksの楽曲も効果的なのだが、
冷血独裁的な父親役のあの冷たくどこみてんだかわからない目が怖い。
宣伝担当の方から伺ったのだが、彼はアルゼンチンでは有名なコメディ俳優なんだそう。
それって日本でいうとビート氏じゃありませんが、そんくらいの恐怖が。家族と犯罪というテーマはスコセッシのグッドフェローズを想起させるも、いやあこれは実話というから益々ゾッとする。80年代初頭のアルゼンチン独裁政権の背景などを知るとまたゾッとした。
なわけであまりやらないコメントを寄せた。

しかしマイコプラズマ肺炎の呪縛からなかなか抜け出せない免疫低下の身体を引きずって
ひと月ぶりに広尾の路地裏でSauternesを舐めながら南海の孤島にいるような気怠い夜を過ごす。
ほろ酔い歩きながら渋谷川を渡り、ミシュラン2つ星の前で、ああここであんなことしたっけ、あんなことってどんなことだと思う?と右側を歩いていた相手に尋ねると即答でずばり言い当てられたり。気が合う同士、バディものみたいに肩並べ歩く夜。

まあ、相変わらず感だけは冴えてる。大丈夫だ。


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銀座カンカン娘



 備忘録というつもりで連打。

 8月も終わるというので
 駆け込み。
 『シン・ゴジラ』鑑賞。
 怪獣好きでもないあたしが怪獣をみて感涙する日がやってくるとは。人生って。
 そんな51歳の夏。悪くない。どこまでも素直なまま。ありがたい。
 感涙どころは、あそことあそこ。詳しくはふせておこう。
 私は昔から小ゲロ(イライラ、鬱憤など)を吐きたくなるときがある。
 ためていくと大ゲロになるからだ。
 そこに、ほらここで吐いちゃえ いいよここで、って掌をさしだしてくれる男。
 そんなひとが理想だなとか思っていたことがあった。実際そんなひとなんていないんだなこれが。
 で、『シン・ゴジラ』は私が思うに、これは岡本喜八監督作品LOVEなんだなあと。
 そう。喜八LOVEだなあと。
 日本のいちばん長い日!沖縄決戦!独立愚連隊!肉弾!ああ爆弾!
 そのうち『殺人狂時代』の溝呂木がでてきて「スペイン式決闘で決着ををつけようじゃないか」
 とか言い出すんじゃないかとか、妄想は膨らむばかり。
 ブレないひとが残る。
 あれがダメならこれをやるのではダメだ。
 ブレないひとが残る。
 ブレないひとは世間から外れたり
 変わり者扱いされたり
 面倒臭がられたりする時も多々ある。
 でもブレないひとが残る、わたしはそう信じている。
 今回の『シン・ゴジラ』を観て、わたしはふと『アオイホノオ』の庵野監督を思い出した。
 『ミカドロイド』で一緒に仕事した樋口っちゃんを思い出した。
 そして、原口智生氏のことも。
 ブレないひとが残る。
 そう私はそれをずっとずっと信じている。
 
 
 

 で、そんな『シン・ゴジラ』の興奮も冷めやらぬまま
 東宝映画『怒り』試写版観る。沖縄ロケ部分でぶっ飛んだ。
 ここでこんなあんなうわあああああ!
 『マクガフィン』でも使用した人気ロケ地がまんまと使われていたり、
 ロケ地の効果って面白い。
 これでまた沖縄ロケ地が面白いことになりそうな予感。

 東宝かあ。東宝の撮影所かあ。
 昔、噴水かなんかあったよなあ。あれもなくなったしなあ。
 昔はあっちから入れてよかったんだ。
 東宝ってなんだかとってものどかだった。
 その反面、東宝ビルドは吹きっ晒しな荒野のイメージ。
 実際、なんかみんな疲れてたものなあ。ビルドにいくと。
 そんなビルドももうない。。。あとかたもない。。
 ビルドの夕暮れシルエットを思わせる樹が残ってるだけだった。
 それにしても撮影所はいいなあ。
 いいなあ。岡本喜八かあ。あたし、その頃の東宝が好きだなあ。
 もっとも日活が一番好きだけど。自分も一応、日活ロマンポルノ出でといえば
 そうだし。

 
 そういえば東宝本社って有楽町だ。ゴジラミニチュア像も近くにいたはず。
 私は銀座や有楽町、京橋、日本橋と仕事柄よく行くのだが、
 ここら周辺あたりは、蓮實重彦御大の「伯爵夫人」を読めば情景がみるみる浮かんで
 あああああ、ため息が漏れる。
 いまでも私は皇居お堀から帝劇、第一生命ビルのあたりを車で通るたびに、
 GHQの時代を激しく妄想し、
 有楽町のパンパンガールを妄想し、千疋屋がキャバレーになったことや
 いろんな進駐時、戦後の勝手なひとり妄想をするのだ。


 そんな千疋屋本店で果物を眺めて
 なんだか急に高いとこへ昇りたくなり、
 文華東方酒店へ。
 37階の中華レストランでひとりお茶。
 ゴジラのいない街を見下ろし、
 戦後はつづくよどこまでも〜♪

 もしわたしがあの頃生きていたら、身体を張って生きなければならない時代に
 わたしも唇を紅く塗りたくり暗い街角に立っていたんだろうかと。
 泥だらけのぬかるみの道をカンカンサンダルつっかけ闊歩していたんだろうか。
 それとも田舎でモンペ姿で百姓やっていただろうか。
 生まれる時代は選べない。
 戦後の日本。その妄想を掻き立てるには映画が一番だ。

 次に観た映画が、加藤泰監督『男の顔は履歴書』(66年松竹 主演・安藤昇)。
 もうこれもなんだかんだギリギリ来れたフィルムセンター。
 なんだって足が向かないんだフィルムセンター。
 どうしてだ。
 きょうも、ギリギリまで悩んで、でもきょうはいこう!そうだ、きょうこそだ!
 安藤昇だし、きょうは行くべきだ。と、かなり綿密に計画して実行。
 でもやっぱりどうしようかな。いやきょうは行きましょうよ、you must!
 で、すごすごとフィルムセンターへ。
 ちょうど妄想していた戦後の闇市の話だったので、ちょっとびっくり。
 冒頭、昨年お亡くなりになった安藤昇氏が医者の役で登場。
 ババーン。
 左横顔ババーン。
 加藤泰のローアングル
 ババーン。
 いろいろババーンでババーン。
 一番びっくりしたのは、
 安藤昇の弟役で出てきた伊丹氏。
 思わず、口をあんぐり。

 そうか、
 私呼ばれたんだ。
 気付けば、あれから何年経ったんだろう。
 84年9月3日。灼熱の東京・京橋。
 そう。
 そうだったね。
 呼ばれたのか、あたし。

 でも虚しいばかりだよ。
 演じるってなにさ 
 役者ってなにさってばかりでさ。
 
 そんなこんなを一瞬緩ませてくれたのが試写で観た
 イーサン・ホーク監督作品『シーモアさんと、大人のための人生入門』(10/1公開)
 これがまたよかった。
 じんわりお灸のような、あたたかなお茶でほっこりするような、
 叩くと音が消えないで伸びる不思議なピアノのあるシーモア氏の部屋で
 或いはNYの街角のカフェで、氏の話にゆっくり耳を傾け微睡むような、不思議な映画時間だった。

 シーモア氏の言葉のひとつひとつがポエジーで、趣がある。
 そう、緊張しないひとっているけど、
 あれってただ鈍感なだけじゃないの。
 演じることで緊張って知ってしまったよ、あたしも。
 そして、まだ20代や30代くらいの未熟さでひとに教えて糧にするって仕事につくのは
 どうなんだかなあと。若い子が先生やってそれを糧にしているのはどうなのかなって常々不思議に思っていたら、
 今回の映画のシーモア氏をみてて
 ああ、このくらいじゃないと、教えるってことにはならない、相手には届かないなと。
 つまりお互い糧にはならない。
 そして、”教える”あるいは”教わる”ということが
 この映画では目から鱗、気持ちよいくらい簡潔に教えてくれる。


 音楽やっているひと以外でも、
 役者にも誰にでも響く言葉と音楽が心地よい。
 そう、ブラックホールに共鳴するあの曲、
 曲だけでも心地よくて心洗われた。
 そして戦中妄想。朝鮮戦争だよね、シーモア氏が従軍したのは。

 
 しかし、カンカン娘の歌詞は凄いな。
 カンカンなのか。
 それにしても高峰秀子さん、お美しい。
 若手にこういう女優が......。
 いや、『オーバー・フェンス』の蒼井優を観よ。
 あれはちょっと凄い。私があの役を演じたならば
 恐らく”二度と観たくない名作”。いいね若さ。一度しかないから。
 あっという間に40歳とか50歳になるんだから。

 そうそう『君の名は。』男女入れ替わり(大林映画か?!)
 の彗星災害映画というものも流行っている。
 ゴジラと君の名はが流行るってのもなんだか奇妙だな。
 
 まあ、あたしなら、デヴィッド・エアー監督(フューリー!)の
 『スーサイド・スクワッド』オススメしますけど。

 やはりこういう糜爛な時世はヴィランが流行る?のだろうか。
 
 
 
 
 
 
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